✅利用者さんを抱えようとすると腰が痛む
✅夜勤明けは腰が痛くて疲れているのに眠れない
✅マッサージを受けてもその時だけ・・
お仕事が原因で腰痛になる人はとても多いですよね。実際に仕事が原因で体のどこかしらに痛みがある人のうち、全体の6割近くの人が腰に痛みがあるそうです。
介護や看護職に限っていうと8割の人が腰に痛みを抱えながら仕事をしているというデータもあります。それくらい介護の仕事というのは腰に負担がかかりやすい職業ということです。
介護施設等で働く介護士の人でも、腰痛でお困りの人はとても多いですよね。利用者さんの移乗補助や体位変換、入浴介助など前かがみや中腰の作業が多く、とても腰に負担がかかりやすい職業だと思います。そんな人でも自分で簡単にできる腰痛対策をお伝えしていきます。
なぜ介護職に腰痛が多いのか?
そもそもなぜこんなにも介護の現場では腰痛が多いのでしょうか?前かがみや中腰が多い介護職の人に腰痛が多いのは当然だと思われるかもしれませんが、それだけが原因でしょうか?
実は、肉体的な負担以外にも
「夜勤で生活のリズムが乱れる…」
「スタッフが足りずゆっくり休憩もできない…」
「上司からは仕事ばかり振られる…」
など自律神経の乱れや、職場環境や人間関係によるストレスも腰痛が多い要因となっています。
とはいえ、職場の環境や人間関係は簡単に変えられるものではありません。自分自身でできる腰痛対策を身につけ、安心して仕事に取り組めるようになりましょう。
忙しくても忘れずに「パワーポジション」
介護の仕事をしていると聞いたことがあると思いますが、移乗介助や重たいものを持ち上げる時に、できるだけ腰に負担がかからないようにする姿勢に「パワーポジション」というものがあります。オリンピックで重量挙げの選手がお尻を突き出し、腰を反って重たいバーベルを持ち上げていますよね?あの姿勢です。
(※イメージ写真です。笑)
実際はこちら👇👇
実際にこの姿勢で持ち上げることで腰にかかる負担が軽くなります。介護の現場に限らず普段の生活でも意識して取り入れることは腰痛対策には有効です。台所で下から鍋を取り出したり、下に落ちたものを拾ったりですね。
しかし、介護の現場では
「いちいち姿勢を気にするほど時間に余裕がない」
「狭いところで介助してると体勢を整える余裕がない」
「入浴介助では服が濡れるし…」
といった理由で、腰に良いとわかっていてもこのパワーポジションを実践できていない人が多いようです。
腰に悪いとわかっていても腰に負担がかかる姿勢で仕事を続けることは、痩せたい痩せたいと言いながらケーキやお菓子を食べ続けているようなものです。減らせる負担は極力減らして、腰に負担がかからない動作を心がけましょう!
簡単ストレッチ
次に前かがみや中腰で腰に負担がかかりやすい人におすすめのストレッチです。
介護職で腰痛に悩まされている人たちの特徴として、腰やおしりの筋肉の硬さに加え、腕をよく使って利用者さんを抱えることによって上半身や背中の筋肉まで硬さがあります。そこで背中からおしりの筋肉のストレッチを2種類お伝えします。
「パート⒈」
①四つ這いの姿勢になります。
※腰が反らないように
※膝と足のあいだは拳ひとつくらい離します
②その姿勢から両手で床を押しておしりを後ろに引いていきます。
このとき腰は丸まった状態で、背中からおしりにかけてが伸びているのを感じながら、呼吸を止めずに30秒キープしていきます。これを3回繰り返しましょう。慣れてきたら少しずつ時間を延ばしてみましょう。
〈悪い例〉
・あごが上がってしまう
・腰が反ってしまう(※腰が反ってしまう人は、両手と両膝の距離を縮め、両膝が股関節よりも少し前に出るようにしてください)
「パート⒉」
次のストレッチもそのまま四つ這いの姿勢で行います。
①四つ這いの姿勢で両方の肘と小指をくっつけ、手のひらを上に向けて手の甲をしっかり床につけます。
②先ほどと同じようにこの姿勢からおしりを後ろに引いていきます。
腰は丸まった状態で背中から胸や肩にかけても伸びているのを感じながら、呼吸を止めずに30秒キープしていきます。両肘が離れそうになったり、手の甲が浮きそうになったら、そこでゆっくりキープしましょう。このときのコツはおなかに軽く力を入れて、腰を床に押し付けることです。これを3回繰り返してください。これも慣れてきたら少しずつ時間を延ばしてみましょう。
〈悪い例〉
・あごが上がる、腰が反る
・両肘が離れる
・手の甲が床から離れてしまう
体幹強化エクササイズ
最後に腰痛予防や、すでに腰痛がある場合の症状緩和に有効なエクササイズです。毎日少しずつ続けて腰痛に負けない体をつくりましょう。
〈基本姿勢〉
両肘から手首までは肩幅と同じ幅に、こぶしは軽く開き、親指を立てます。左右の肩甲骨を合わせるように肩を入れ、あごを軽く引きます。おしりを突き出し、お腹とお尻を引き締めて膝をつき、両肘、両膝に均等に体重をかけます。
①膝伸ばし
片方の膝を伸ばしながらまっすぐに脚を後ろに伸ばします。床と平行になるところを目標とします。
②両肘、両膝をつけた姿勢からの膝・腕伸ばし
基本姿勢から、対角となる肘と膝(右肘と左膝、または左肘と右膝)、を伸ばします。胴体からまっすぐ伸びた状態で、床と平行になるところを目標にします。うまく出来ないときは、肘を最初に上げてから、膝を伸ばします。
〔実施上の注意点〕
①〜②の各動作とも、4秒間かけて上げ、8秒間維持し、4秒間かけて下ろします(1回の動作で合計16 秒間)。 各動作とも、左右交互に 4 回ずつ実施します。
※動作が楽に出来た場合は、両膝の代わりに両つま先をつけた姿勢から行います。
(👆👆僕はできませんでした。
腕がプルプル・・・笑)
自分が楽だと相手も楽に
どうでしたか?まずは腰に負担がかからない動作や姿勢を身につけ、次に負担がかかる筋肉にストレッチを覚えて体のケア。最後に介護の仕事に負けない体をつくるエクササイズを紹介してきました。
この3つを実践してもらうことで、きっと今よりも楽に仕事に取り組めるようになると思います。もし今、あたなが腰の痛みをかばいながら利用者さんの介護をおこなっているのであれば、あなたの体の緊張やこわばりは利用者さんにも伝わっているはずです。
あなたの体の状態が良くなれば、利用者さんも安心してあなたに体を預けてくれるはずです。痛みを我慢しながら働くのではなく、お互いが楽に、そして笑顔で過ごせるように、ぜひ今回の内容を実践してみてください。